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C++11 random 覚え書き

C++11以降では<random>ヘッダで良質な擬似乱数を得ることができる。

#include <random>

外部からの乱数

外部から乱数を得るにはrandom_deviceを使う。

#include <random>
#include <iostream>

int main() {
  std::random_device rand_dev;
  std::cout << rand_dev() << std::endl;
  std::cout << rand_dev() << std::endl;
  return 0;
}

上のように、外部からの乱数源は関数として呼び出すことで乱数を生成する。

このプログラムは実行するごとに異なる値を出力する。

擬似乱数

擬似乱数は、シード値を放り込むと乱数っぽい数列を吐き出すプログラム。

生成方法が何種類かあるが、mt19937だけ把握していればよい。

#include <random>
#include <iostream>

int main() {
  std::mt19937 rand_src(12345);
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}

上のように、擬似乱数生成器は関数として呼び出すことで擬似乱数を生成する。

このプログラムは異なる整数を2つ出力するが、プログラムの実行ごとに同じ整数を出力する。

ソース中の12345がシード値である。この数値を変更すると、異なる整数を出力するようになる。

乱数の加工

上で生成した乱数は32bit一様乱数等なので、必要な分布が出るように加工する。

#include <random>
#include <iostream>

int main() {
  std::mt19937 rand_src(12345);
  std::uniform_int_distribution<int> rand_dist(0, 99);
  std::cout << rand_dist(rand_src) << std::endl;
  std::cout << rand_dist(rand_src) << std::endl;
  return 0;
}

上のように、分布を関数として使うときは、引数に乱数源への参照を渡す。内部で乱数源が(必要に応じて複数回)呼ばれている。

上のソースコードでは、MTで生成される擬似乱数列をもとに、一様分布に従う0以上99以下の整数を2つ生成している。

よく使う分布:

暗号論的擬似乱数

たぶんこのライブラリには無い。

分布と擬似乱数生成器を合体させる

分布に毎回擬似乱数生成器をつけるのは面倒であるから、<functional>ヘッダにあるbindrefを使って以下のようにする。

#include <random>
#include <iostream>
#include <functional>

int main() {
  std::mt19937 rand_src(12345);
  std::uniform_int_distribution<int> rand_dist(0, 9);
  auto rand_dist_bound = std::bind(rand_dist, std::ref(rand_src));
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  return 0;
}

refを使わずに、

  auto rand_dist_bound = std::bind(rand_dist, rand_src);

としても一応動作するが、これは擬似乱数生成器のコピーを作成してしまうので意味が変わる。同じ擬似乱数生成器を複数の分布で使う場合は注意が必要(通常、refをつけるほうが好ましい)


これは以下のようにしても同じことである:

#include <random>
#include <iostream>
#include <functional>

int main() {
  std::mt19937 rand_src(12345);
  auto rand_dist_bound = std::bind(
    std::uniform_int_distribution<int>(0, 9),
    std::ref(rand_src));
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  return 0;
}

さらに、この擬似乱数生成器はこの分布でしか使わないというのであれば、以下のようにもできる(この場合はrefは使わない):

#include <random>
#include <iostream>
#include <functional>

int main() {
  auto rand_dist_bound = std::bind(
    std::uniform_int_distribution<int>(0, 9),
    std::mt19937(12345));
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  std::cout << rand_dist_bound() << std::endl;
  return 0;
}

シードの決め方

シードの決め方は場合による。大雑把に言うと次の2種類:

  • 外部からの乱数に基づいて決める
  • 決め打ち

ただし、以下のことに注意が必要だ:

  • 外部からの乱数が必要な状況はあまり多くない : 乱数に基づくアルゴリズムは、シード決め打ちの擬似乱数で問題なく動作する。
  • むしろ、再現性を考えると、シードを決め打ちにしたほうが良い。
  • 「実行ごとに動作を変えたい」という需要は、コマンドライン引数などでシードを指定できるようにするだけで満足されることがある。

外部からの乱数に基づいてシードを決める

外部からの乱数に基づいてシードを決めるには、単に以下のようにすればよい:

#include <random>
#include <iostream>

int main() {
  std::random_device rand_dev;
  std::mt19937 rand_src(rand_dev());
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}

このようにすると、毎回シードが変わるので、実行するごとに異なる整数が表示される。

外部からの乱数源を1回しか使っていないので、以下のようにもできる:

#include <random>
#include <iostream>

int main() {
  std::mt19937 rand_src(std::random_device{}());
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}

コマンドライン引数に基づいてシードを決める

例えば、コマンドライン引数の1番目がある場合はそれをシードとして使うようにするには:

#include <random>
#include <iostream>
#include <string>

int main(int argc, char *argv[]) {
  int seed = 12345;
  if(argc > 1) {
    seed = std::stoi(argv[1]);
  }
  std::mt19937 rand_src(seed);
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}

また、コマンドライン引数を与えない場合のデフォルトは、外部からの乱数でもよいかもしれない:

#include <random>
#include <iostream>
#include <string>

int main(int argc, char *argv[]) {
  int seed;
  if(argc > 1) {
    seed = std::stoi(argv[1]);
  } else {
    seed = std::random_device{}();
  }
  std::mt19937 rand_src(seed);
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}

サンプルコード

POSIX usleep(3)を使って、1秒間あたり平均5個のランダムな(ポアソン過程に基づく)イベントを発生させる (十分たくさんの粒子があるときの放射線の発生とかがこれ)

#include <random>
#include <iostream>
#include <string>
#include <functional>
#include <unistd.h>

int main(int argc, char *argv[]) {
  int seed;
  if(argc > 1) {
    seed = std::stoi(argv[1]);
  } else {
    seed = std::random_device{}();
  }
  std::mt19937 rand_src(seed);
  auto rand = std::bind(
      std::exponential_distribution<double>(5.0 / 1000000.0),
      std::ref(rand_src));
  while(true) {
    std::cout << "a" << std::flush;
    usleep(rand());
  }
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  std::cout << rand_src() << std::endl;
  return 0;
}