2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Rust組込みトレイトのコヒーレンス

以下のトレイトは通常のコヒーレンス規則に加えて、特別なコヒーレンス規則が適用される。 Sized, Unsize Sized, Unsize の手動実装を与えることはできない。 Fn, FnMut, FnOnce Fn, FnMut, FnOnce の手動実装は安定版では禁止されており、 #![feature(unbox…

Rustにおける再帰的/余再帰的なトレイト選択/トレイト履行

Rustでは以下のようなプログラムはコンパイルエラーになる。 struct List<X>(Option<Box<(X, List<X>)>>); // 通常は X: Clone を仮定するが、あえて Option<Box<(X, List<X>)>>: Clone としてみる impl<X> Clone for List<X> where Option<Box<(X, List<X>)>>: Clone { fn clone(&self) -> Self { List(self.0.clone()</box<(x,></x></x></box<(x,></box<(x,></x>…

RustのRFC一覧 (~1552)

概要: RustのRFCの一覧を作ろうとしたが、あまりに多いのでとりあえず1552までで公開することにした。なお、単に全てのRFCを列挙したいならばここを見ればよい。 このRFCはRustのコミュニティーが管理しているものであり、 “RFC” の元祖であるIETF RFCとは関…

Rustのコヒーレンス

概要: Rustの impl が定義できる型にはコヒーレンスと呼ばれる制限がある。これについて説明する。なお、この記事では特殊化がない前提で説明する。 コヒーレンス初心者のための概説 以下のように impl が重複していたり、自分のところ以外の型の impl を定…

RustのRFC一覧 (~1240)

概要: RustのRFCの一覧を作ろうとしたが、あまりに多いのでとりあえず1240までで公開することにした。なお、単に全てのRFCを列挙したいならばここを見ればよい。 このRFCはRustのコミュニティーが管理しているものであり、 “RFC” の元祖であるIETF RFCとは関…

RustBelt試行中: get_x の一般化

RustBeltの examples/get_x.v をいじってみた。 From iris.proofmode Require Import tactics. From lrust.typing Require Import typing. Set Default Proof Using "Type". Section get_x. Context `{typeG Σ}. Definition get_x : val := funrec: <> ["p"]…

RustのRFC一覧 (~0900)

概要: RustのRFCの一覧を作ろうとしたが、あまりに多いのでとりあえず0900までで公開することにした。なお、単に全てのRFCを列挙したいならばここを見ればよい。 このRFCはRustのコミュニティーが管理しているものであり、 “RFC” の元祖であるIETF RFCとは関…

RustBeltのビルド (Windows)

概要: Coqと高階分離論理を用いたRustの検証プロジェクトであるRustBeltの論文とCoqの証明ファイルが公開されたので、とりあえずビルドしてみた。 RustBeltはopamを使うと簡単にビルドできるようだが、ここではWindowsでビルドしてみた。 環境 64bit Windows…

RustのRFC一覧 (~0500)

概要: RustのRFCの一覧を作ろうとしたが、あまりに多いのでとりあえず0500までで公開することにした。なお、単に全てのRFCを列挙したいならばここを見ればよい。 このRFCはRustのコミュニティーが管理しているものであり、 “RFC” の元祖であるIETF RFCとは関…

RustのRFC一覧 (~0200)

この記事は古いのでこちらをご覧ください 概要: RustのRFCの一覧を作ろうとしたが、あまりに多いのでとりあえず0200までで公開することにした。なお、単に全てのRFCを列挙したいならばここを見ればよい。 このRFCはRustのコミュニティーが管理しているもので…

Rustのトレイト選択

概要: トレイト選択とは、トレイト制約の解決方法を検索するコンパイラの処理であり、型推論にもコード生成にも使われる重要な部品である。本記事ではトレイト選択の動作の詳細について解説する。 トレイト選択とは トレイト選択 (selection) とは、トレイト…

Rustにおける左辺値選好と可変性調停

概要: Rustのミュータビリティー推論に使われる左辺値選好と可変性調停について説明する。 左辺値選好 Rustの型推論では、期待型のほかに、左辺値選好 (lvalue preference) という状態もトップダウンに渡される。 LvaluePreferenceは以下のどちらかの値をと…

Rustのバイト列リテラルの型

Rustのリテラルの型検査は check_lit にある。これによると、文字列リテラルの型は &'static str である一方、バイト列リテラルの型は &'static [u8] ではなく、 &'static [u8; N] である。 そのため、以下のようなコードがコンパイルできる。 fn main() { l…